By ゆき / 最後の更新 2023年05月08日

ダイナミックディスクとベーシックディスク

ご存知のように、HDDの扱いにはベーシックディスクとダイナミックディスク、2種類があります。Microsoft Windowsを実行するパソコンで最も一般的に使用されるのはベーシックディスクですが、サーバーなどでは、ダイナミックディスクを使用することもあるようです。

ベーシックディスクとは?

工場出荷時のハードディスクはほとんどベーシックディスクで構成されています。ベーシックディスクでは、1台のHDDをパーテーションで分割して複数台のHDDとして使用することができます。MBRの場合、最大4つのパーティション(3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティション)を作成できますが、GPTの場合、128個のドライブを作成できます。

もし、1つのHDDに1つ以上のOS(マルチOS)をインストールして、使用したいなら、ベーシックディスクでなくてはいけません。

ダイナミックディスクとは?

ダイナミックディスクでは、ベーシックディスクと反対に、複数台のHDDに渡ってボリュームを作成できます。これにより、ニーズに応じてストレージを拡張できます。ダイナミックディスクは最大約2000のボリュームを作成できます。複数のディスクを搭載したコンピュータでこのタイプを使用することをお勧めします。

ただし、ダイナミックディスクの場合、1台のHDDにOSを1つしか入れないという欠点があるので、OS用のHDDより、データ保存用のHDDとして使用される場合が多いと思われます。

ダイナミックディスクに変換する場合

ダイナミックディスクにはスパニング(複数のHDDを1つのドライブとして結合する)や、ストライピング(データを複数のHDDにまたがって保存する)、ミラーリング(複数のHDDに同一データを保存する)など、拡張的な機能があるため、時々手動でベーシックディスクをダイナミックディスクに変換したいかもしれません。

ダイナミックディスクに変換する方法

ダイナミックディスクへの変換は、フォーマットの必要がないため、データを保持した状態での変換が可能です。次は2つの変換方法を紹介しましょう。

Windows標準機能を使用する

手順 1. 「ディスクの管理」を開きます。ディスク番号が表示されている箇所で右クリックメニューを出して「ダイナミックディスクに変換」を選択します。

ダイナミックディスクに変換

手順 2. ダイナミックディスクに変換したい物理ドライブにチェックを入れて「OK」をクリックします。

変換したいディスクを選択

手順 3. 変換の必要があるディスクを再度確認し、問題なければ「変換」をクリックします。

※マルチブート環境である場合、ダイナミックディスクに変換すると、現在起動しているシステムボリューム以外のボリュームにインストールしたOSからパソコンが起動できなくなることに注意してください。

しばらくすると、ベーシックディスクがダイナミックディスクに変換されます。

AOMEI Dynamic Disk Managerを使用する

手順 1. AOMEI Partition Assistantの製品をダウンロードして、AOMEI Dynamic Disk Managerをインストールし、起動します。

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手順 2. ダイナミックに変換したいディスクを右クリックし、「Convert to Dynamic Disk(ダイナミックディスクに変換)」を選択します。

ダイナミックに変換

手順 3. 後はガイドに従って、ダイナミックディスクへの変換を完成させます。

➡操作の詳細については、この関連記事を参考にしてください。

ダイナミックディスクになった他の状況

ベーシックディスクをダイナミックディスクに変換するつもりはなかったのに、ベーシックディスクはダイナミックディスクになった場合も幾つかあります:

  • MBRディスクに4つのプライマリパーティションがあり、未割り当て領域に新しいパーティションを作成しようとする場合、パーティションを作成するとベーシックディスクがダイナミックに変換されます。

  • 非システムディスクでは、ベーシックディスク上のパーティションを拡張したいが、右側に連続した未割り当て領域または空き領域がありません。こういう時にダイナミックディスクが存在するなら、そのパーティションを拡張すると、ベーシックディスクがダイナミックディスクになります。

  • 「ダイナミックディスクに変換」オプションを誤ってクリックして、HDDをダイナミックディスクに変換してしまいました。

※注:ベーシックディスクはダイナミックディスクになった後、一部のWindowsをインストールしたり、他のOS(LinuxやAndroid-X86など)とのマルチブートを実現することはできないため、ダイナミックディスクを元(ベーシックディスク)に戻したいかもしれません。

ベーシックディスクに戻す一般的な方法

一度、ベーシックディスクをダイナミックディスクに変換してしまった場合、HDD内のリカバリ領域から復元できないことがあります。ダイナミックディスクをベーシックディスクに再変換するのは全く不可能ではないですが、データを残したまま戻すというのは大変です。ダイナミックディスク上のすべてのボリュームを削除し、全てのデータを完全に消去する必要があります。

一般に、Windows 7/8/10/11では、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換するために2つの無料ソリューションがあります。Windows「ディスクの管理」と「cmd」を使用することです。上述のように、ベーシックディスクに戻す為にダイナミックディスク上のすべて既存のボリュームを削除する必要がるので、操作を開始する前に、大切なデータをすべてバックアップするか、又は別のボリュームに移動してください。

※関連記事:万が一の備え!Win 10バックアップ【5つの方法まとめ】

▼次はダイナミックディスク上のすべてのデータを削除して、ベーシック ディスクに変換する方法について説明しましょう。

ディスクの管理を使用する

「ディスクの管理」では、すべてのボリュームを1つずつ削除してから、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換することができます。

手順 1. 「コンピューター」または「PC」を右クリックし、「管理」→「記憶域」→「ディスクの管理」を選択します。

手順 2. 「ディスクの管理」で、ダイナミック ディスク上の各ボリュームを右クリックし、「ボリュームの削除」をクリックします。

手順 3. ディスク上のすべてのボリュームを削除してから、ダイナミック ディスクを右クリックし、「ベーシック ディスクに変換」をクリックします。

コマンドラインを使用する

コマンドラインを使用してダイナミックディスクをベーシックディスクに再変換することができます。

手順 1. マコンドプロンプトを管理者として開き、「diskpart」と入力して「Enter」を押します。

手順 2. DISKPARTプロンプトで次のコマンドを順番に入力します。すべての入力はEnterキーで終わります。

●list disk(ベーシックに変換するHDDのディスク番号を覚えておく)

●select disk n(nは変換しようとするダイナミックディスクの番号)

●detail disk

●select volume n (nは選択されたボリュームの番号)

●delete volume(複数のボリュームがある場合、すべてを1つずつ削除してください)

●select disk n(ベーシック ディスクに変換するディスクの番号を指定する)

●convert basic

手順 3. 最後にCMDを終了します。

データを残したままベーシックディスクに戻す方法

でも、何かデータを失うことなく、簡単かつ安全にHDDをダイナミックからベーシックに戻せる方法はありますか?

優れたディスクパーティション管理ソフト

AOMEI Partition Assistant Professionalはそういうサードパーティ製のディスク管理ソフトで、データを残したままHDDをダイナミックディスクからベーシックディスクに変換することができます。

Proのデモ版 Win 11/10/8.1/8/7/XP
動作確認の目的でのみ使用

手順 1. このソフトウェアをお使いのパソコンにインストールし、起動します。

手順 2. ツールバーの「変換」をクリックし、ドロップダウンメニューから「ダイナミックディスク変換器」をクリックします。

ダイナミックディスクコンバータ

手順 3. Dynamic Disk Converter(ダイナミックディスク変換器)の画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。

次へ

手順 4. 必要に応じて、適切な変換方法を選択し、「次へ」をクリックします。

変換方法を選択

手順 5. 後は、ベーシックディスクに変換したいダイナミックディスクを選択し、ガイドに従って変換操作を完成させます。

これだけでなく、HDDをうまく管理できる為に、AOMEI Partition Assistant Proはパーティションのサイズを変更、パーティションを移動/結合、OSをSSDに移行、ブータブルCDを作成、アプリを2つのパーティション間で移行するなど、もっと高度な機能を持っています。

結語

一般のパソコンの場合、ベーシックディスクがあたりまえで、ダイナミックディスクに変換する必要は全くありません。

しかし、間違ってベーシックディスクからダイナミックディスクに変換してしまったこと、と自分の意志でベーシックディスクをダイナミックディスクに変換したことがあるでしょう。

Windowsに内蔵されているツールを使用して再び、ダイナミックディスクからベーシックディスクに変換する場合、HDD上のパーティションをすべて削除して未割り当て領域にしてからベーシックディスクに戻さなければなりません。

でも、AOMEI Partition Assistant Proを使用すると、データを残したままHDDをダイナミックディスクからベーシックディスクに直接戻すことができます。

もし、この記事が役立つなら、友達や家族と共有しましょう!また、何か質問や提案がある場合は、以下のコメント欄に入力するか、または[email protected]までご連絡ください。よろしくお願いします。