消せないOEMパーティションを削除する方法

換装などが原因で未使用になり、WindowsがインストールされているHDDやSSDをGUIでフォーマットしますが、回復パーティションは、フォーマットできないため、残ってしまいます。この記事では、ディスクの空き容量を増やすために、消せないOEMパーティションを完全に削除する方法についてご紹介します。

ゆき

投稿者:ゆき/更新日:2023年12月13日

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OEMパーティションについて

 

80GBのSSDから160GBのSSDへ乗り換えたため、今までの80GBモデルが不要になりました。PCから抜き出した80GBのSSDを外付けドライブとして使うことって結構あると思います。

とりあえずフォーマットを実行して、SSDをキレイにしておこうと思ったのですが、「OEMパーティション」がどうしても削除できません。その消せない領域を完全に消去しない限り、SSDをデータ保存用として再利用することはできません。

「ディスクの管理」で「OEMパーティション」を右クリックしてもヘルプメニューのみ表示されます。どうやらその領域はRescue and Recoveryやリカバリ領域のため、簡単には消せないようになっているみたいです。

でも私は80GBのSSDを真っさらフォーマットしたいので、どうすれば「OEMパーティション」を削除しますか?

 

OEMパーティションとは?

OEMパーティションは、回復パーティションの一種です。出荷前にレノボ(Lenovo)やデル(Dell)などのコンピュータ製造元によって作成(プリインストール)されます。※OEMパーティションの中身はメーカーにより異なります。

Windows11/10/8/7で回復パーティションを安全に削除する方法

💡OEM:Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)を略した言葉で、日本語だと他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)を指します。

Windowsのリカバリが必要になったときに使われる、工場出荷時の設定に復元するためのデータがこのパーティションの中身として詰まっています。つまり、WindowsのOEMパーティションにはシステムのリカバリに関する情報が保存されいます。基本的には予約済みの領域となるため操作することはできません。

OEMパーティション

いつOEMパーティションが作成されるか?

大型アップデートでOEMパーティションが作成されます。既存のOEMパーティションが不十分な場合に新たにOEMパーティションが作成されます。デフォルトではディスクの先頭に500MB程度が割り当てられています。しかし、最近の大型アップデート時には800MB以上の領域が必要になるようで「OEMパーティションが足りない→新しいOEMパーティションが作成される」という流れになります。

OEMパーティションは削除できるか?

OEMパーティションはWindowsのリカバリに必要なパーティションなので基本的にそれを削除することはおすすめしません。それに、OEMパーティションが実行中のOSに影響を与えないし、あまりにも多くの領域を占めないので、そのままにしておいたほうがいいです。ストレージスペースの一部が利用できないことを除いて、心配することは何もありません。

しかし、どうしてもストレージの容量を空けたいなどの理由で現在使用中のHDDやSSDのOEMパーティションを削除したい場合もあるだろう。実は、回復ドライブ、最近のシステムイメージ、またはWindowsインストールCDのいずれかがある場合や、OEMパーティションをバックアップした場合、OEMパーティションを削除しても大丈夫です。また、Windowsの以前のバージョンで作成されたOEMパーティションは、不要になったので、ディスク領域を解放するためにそのOEMパーティションを削除することもできます。

次はOEMパーティションを削除する方法を2つご紹介しましょう~

コマンドプロンプトでOEMパーティションを削除

上述のようにWindows標準ツール「ディスクの管理」でOEMパーティションを削除できませんが、コマンドプロンプトで削除できます。

操作するディスクの確認

最初にGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で「ディスクの管理」のダイアログボックスから、操作するディスクを確認する必要があります。

ステップ 1. 「ディスクの管理」を起動するには、スタートボタンを右クリックし、コンテキストメニューの「ディスクの管理」をクリックします。

ステップ 2. CUI(キャラクタユーザインターフェース)操作で必要になるため、削除するOEMパーティションのディスク番号を記憶するか記しておく必要があります。

※或いは、削除するつもりのないHDDは取り外せるなら取り外して、削除したいHDDだけをPCへつないでおいたほうがいいです。

間違って削除した日には悲惨なことになります。

OEMパーティションの削除

ステップ 1. デスクトップ画面で「Windowsボタン + R」キーを押し、「ファイル名を指定して実行」に「diskpart」と入力し、「OK」をクリックします。

※背景が黒のコマンドプロンプト画面に「DISKPART>」と表示されます。diskpartコマンドを実行するには、管理者権限が必要になります。

ステップ 2. 「list disk」と入力し、Enterキーを押します。

※現在PCに搭載・接続されているHDDやSSDが全部ここにリスト表示されます。

ステップ 3. 「select disk n」と入力し、Enterキーを押します。

※nはOEMパーティションを含むディスクの番号です。冒頭で確認したディスク番号を入力して、操作するディスクを指定します。

ステップ 4. 「list partition」と入力し、Enterキーを押します。

※選択したディスクのパーティション一覧が表示されます。

回復

ステップ 5. 「select partition m」と入力し、Enterキーを押します。

※mは削除するOEMパーティションの番号です。Typeが「回復」になっているパーティションがOEMパーティションです。このパーティション番号を確認しておきましょう。

ステップ 6. 「delete partition override」と入力し、Enterキーを押します。

※「diskpartは選択されたパーティションを正常に削除しました。」と表示されたら、該当のOEMパーティションは完全に削除されたことになります。後は削除したい別のOEMパーティションを再度「select partition m」で選択して「delete partition override」で削除を繰り返せばいいです。

※overrideは保護されたパーティションを削除する際(「仮想ディスク サービス エラー:force protected パラメーターを設定しないと、保護されたパーティションは削除できません。」というエラーが出る場合)に必要です。

ステップ 7. 「exit」と入力してコマンドプロンプトを終了します。

ステップ 8. 最後は「ディスクの管理」でOEMパーティションが削除され、「未割り当て」領域になっているか確認してください。

ヒント:上に記したスペルをコピペして作業を行うと手間が省けると思います。

AOMEI Partition AssistantでOEMパーティションを削除

パーティション管理ツールAOMEI Partition Assistantについて

上記の方法はOEMパーティションを削除できますが、一部のユーザー(特にパソコン初心者や一般ユーザー)にとって少し複雑に思えるかもしれません。CUIの操作に不慣れな場合は、コマンドのスペルのインプットミスも発生します。

ここでは、サードパーティ製ソフトウェア「AOMEI Partition Assistant Standard」を強くお勧めします。強力なパーティション管理フリーソフトとして、AOMEI Partition Assistant Standardはパーティションを完全に削除したり、作成/移動/結合/チェックしたりできます。

特徴&メリット:
CUIではなくGUIなので誰でも簡単に使える
HDDの消せない領域(OEMやEFI、回復)を完全に削除できる
Professional版にアップグレードすると、パーティションの消去/分割、GPTディスクとMBRディスク間での変換、MBRの再構築、2つのパーティション間でのアプリ移行、HDDのクローンなど、もっと高度な機能を利用できる
AOMEI Partition Assistantそのほかのバージョン:Windows Server 2003、2008(R2)、2011、2012(R2)、2016、2019、2022のユーザーの場合、AOMEI Partition Assistant Server版を使用してください。また、社内の台数無制限のPC&Serverで利用可能なAOMEI Partition Assistant Unlimited版もあります。更に、AOMEI Partition Assistant Technician版を購入するIT専門家、システム管理者、技術者はクライアントに技術サポートを有償サービスとして提供することができます。ニーズに応じて適切なバージョンを選択しましょう~ ▶AOMEI Partition Assistant異なるバージョンの比較

AOMEI Partition AssistantでOEMパーティションを削除する手順

ステップ 1. パーティション管理フリーソフトAOMEI Partition Assistant Standardを無料でダウンロードし、インストールし、起動します。

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ステップ 2. 全てのディスク(パーティション)がメイン画面に表示されます。削除したいOEMパーティションを右クリックしてメニューから「パーティションを削除」を選択します。

パーティション削除

ステップ 3. 次のダイアログで、削除方式を選択します。ニーズに応じて一つを選択してください。その後、「はい」をクリックして続行します。

ここでは2つのオプションがあります:
パーティションの高速削除:このオプションを選択した場合は削除されたデータは回復可能です。
パーティションを削除して、そのデータを消去します:AOMEI Partition Assistantは、パーティションを削除して、その上のすべてのデータを消去します。削除されたデータは任意のデータ復元ソフトウェアによって回復することができませんので、ご注意ください。また、この機能は有料版のみで利用可能です。

二つの方法

ステップ 4. メイン画面に戻り、操作後の結果をプレビューできます。すべての変更を実行するには、「適用」ボタンをクリックすることを忘れないでください。

適用

これで、OEMパーティションが削除されます。Diskpartと比較して、ただ3つのステップでOEMパーティションを削除できます。誰にとっても本当に便利でしょう。

おまけ:新しいOEMパーティションを作成

引き続きdiskpartコマンドを使ってOEMパーティションを作成することができます。

ステップ 1. 「diskpart」を起動して「list disk」⇒「select disk n」と入力することで適切なディスクを選択します。

※diskpartを使って新しいパーティションを作成するには、選択したディスクnに十分な未割り当て領域があることを確認してください。

ステップ 2. 「create partition primary size=x」と入力し、Enterキーを押します。

※xはパーティションサイズ(単位:MB)です。例えば、「create partition primary size=4000」と入力して、サイズ4GBのプライマリパーティションを作成します。

ステップ 3. 「format quick fs=ntfs label="Recovery tools"」と入力し、Enterキーを押します。

※フォーマットを実行します。

ステップ 4. 「assign letter="R"」と入力し、Enterキーを押します。

※一時的にドライブ文字を割り当てます。

ステップ 5. 「set id="de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac"」と入力し、Enterキーを押します。

※パーティションの種類を設定します。
★補足:「gpt attributes=0x8000000000000001」と入力して、GPT属性を割り当てます。
 

Q:WindowsでOEMパーティションを作るソフトはありませんか?NECのPCにはOEMパーティションがいつも入っていて、初めどうやって作成しているのか不思議です。

A:メーカー独自のリカバリ領域は、個人では作成できませんが、似たようなことが出来るソフトがあります。『AOMEI OneKey Recovery

--yahoo!知恵袋

あとがき

OEMパーティションを削除した後、ほかの既存パーティションを削除して、全て「未割り当て」にした後、それらを統合してひとつのパーティションにすれば、HDDとして再利用できるようになります。

このページでは、OEMパーティションを削除する方法(Windows標準ツール&サードパーティ製ソフトウェア)を紹介してきました。参考にしていただければ幸いです。OEM領域や回復、EFIシステム領域などが削除できなくてお困りの方は是非ためしてみてくださいね。

最後は、自信のない方はコマンドプロンプトで行わないで、パーティションを削除できるフリーソフトAOMEI Partition Assistant Standardを利用することをお勧めします。

ゆき
ゆき・編集者
ゆきは、AOMEI Technology会社の編集者として長年AOMEI製品についての記事やコンピュータに関する記事を翻訳したり、書いたりしています。パソコンの基礎知識とか、AOMEI製品の機能について詳しいです。IT業界に対して深い興味を持っています。そのほか、旅行、アニメ、音楽、色々なことに趣味があります。