MBRとGPTに関する
以下では、概念と違いからMBRとGPTを紹介します。
MBRとGPTの概念
MBRとGPTはどちらもパーティションテーブルの規格です。MBRは古い規格であり、GPTは新しい規格です。
MBRとは、Master Boot Record(マスターブートレコード)の略語であり、FDISK形式のハードディスクにおいて、先頭部分にあるパソコンの起動に関する情報が書かれたセクターということです。ハードディスクのパーティションに関する情報と、ILPが記録されています。MBRが読み込まれると、まず、ブートローダーと呼ばれるソフトウェアが起動します。これにより、ハードディスクに含まれているパーティションの情報が読み込まれ、その情報に従って、起動するOSがインストールされているブートセクターという領域を読み込むことになます。これらを経て、OSが起動することになります。

GPTとは、(Globally Unique Identifier)GUIDパーティションテーブルディスクの略語であり、ハードディスクドライブ上のパーティションテーブルの配置に関する標準規格です。MBRよりもっと新しい規格です。GUIDパーティションテーブルは、インテルの提案しているEFI標準の一部であり、旧来のBIOSで使用されているマスターブートレコード(MBR)の置き換えを意図しています。従来のMBRパーティションが、テーブルのパラメータから、1セクタ512Byteで定義した場合、最大2TiB迄の領域までしか管理できないのに対し、GPTでは、最大8ZiB迄の領域を定義、管理できます。MBRと比べると、GPTの方が互換性がいいです。

MBRとGPTの違い
パーティション数
MBRではプライマリパーティションは4つまで作成できます。GPTディスクのパーティション数は理論的にほぼ無制限ですが、パーティションを128まで作成できます。
互換性
MBRディスクはほぼ全てのバージョンと互換性があります。GPTディスクはWindows 7、Windows 8、Windows 10、Windows 11、Windows Server 2008、Windows Server 2012、Windows Server 2016、Windows Server 2019およびWindows Server 2022などのWindows OSと互換性がありますが、Windows 95/98、Windows XP、Windows 2000、Windows 2003、Windows XP(32-ビットも64-ビットも)のWindows OSと互換性がありません。
ディスク容量
MBRディスクは最大2TBのディスクに対応することができますが、GPTディスクには容量の制限がありません。
ブートモード
MBRディスクがBIOSをサポートし、GPTディスクがUEFIをサポートしています。

MBRをGPTに変換する理由
MBRとGPTは、ハードディスク上のパーティションテーブルのレイアウトを定義するための2つの異なる標準です。GPT(GUIDパーティションテーブル)はMBR(マスターブートレコード)よりも優れていることが認識されています。上記の内容から、GPTにはMBRと比較していくつかの利点があります。これが、一部のユーザーがMBRをGPTに変換する主な理由である可能性があります。
①GPTは2TBを超えるディスクをサポートし、MBRは最大2TBのハードディスクをサポートします。
②GPTは128個のプライマリパーティションを作成できますが、MBRは最大4個のプライマリパーティションを作成できます。
③GPTはMBRとは異なり、パーティションとブート情報を複数の場所に保存するため、破損した場合に簡単に復元できます。
④公式発表によると、Windows 11は正常に起動するためにUEFIのみをサポートしています。
コマンドプロンプトでMBRをGPTに変換
Windows 11/10/8/7でディスクをMBRからGPTに変更するには、Windowsに付属のCMDコマンドラインを使用することがいい選択です。MBRからGPTへの変換を完了するための使用方法については、次の手順を参照してください。
- ★注意:
- この方法では、選択したディスク上のすべてのパーティションを削除する必要があります。事前にすべてのデータをバックアップしてください。
- CMDを使用してシステムディスクをMBRからGPTに変換するには、Windows内でシステム関連のパーティションを削除できないため、WinPEモードに入る必要があります。
ステップ 1. キーボードの「Win+R」を押して、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。このダイアログで、「cmd」と入力し、Enterキーを押し、コマンドプロンプトを開きます。
ステップ 2. コマンドプロンプトウィンドウで、「diskpart」と入力し、Enterキーを押し、次のコマンドを順番に実行します。
ステップ 3. 次のコマンドを順番に入力し、各コマンドの後にEnterキーを押します。
▶list disk(すべてのオンラインディスクを表示します。)
▶select disk 1(「1」はターゲットMBRディスクの番号です。)
▶clean(ターゲットディスク上のすべてのパーティションを削除します。)
▶convert gpt(ターゲットディスクをgptに変換します。)

このデモンストレーションは、データディスクの変換に基づいています。変換が正常に終了したら、「Exit」と入力し、Enterを押してこのウィンドウを終了します。
コマンドプロンプトの代替でMBRをGPTに変換
要約すると、重要なデータが失われないように、CMDでMBRをGPTに変換する前にMBRディスクをバックアップする必要があることがわかっています。したがって、パーティションを削除したりデータを失ったりすることなく、データとシステムのMBRディスクをGPTに変換できるかどうか疑問に思われるかもしれません。幸い、AOMEI Partition Assistant Professionalを使用してそれを実行することは完全に可能です。このソフトウェアは、既存のパーティションを削除せずに、データとブートディスクの両方をMBRからGPTに変換できます(デモ版をダウンロードして、操作をシミュレートできます)。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードして起動します。メインインターフェイスで変換するディスクを右クリックし、「GPTディスクに変換」を選択します。

ステップ 2. ポップアップする2つのウィンドウで「はい」をクリックします。

ステップ 3. 保留中の操作が表示されます。「適用」⇒「続行」をクリックして、GPTディスクへの変換を実行します。

コマンドラインユーティリティGptgenでMBRをGPTに変換する
Gptgenは、データを保持しながらハードドライブをMBRディスクからGPTディスクに換できるコマンドラインユーティリティです。WindowsでGptgenを正しく実行するには、以下の手順に従います。
ステップ 1. 公式WebサイトからGptgenをダウンロードし、解凍します。
ステップ 2. 「Win+R」を押し、「cmd」と入力して、コマンドプロンプトを開きます。
ステップ 3. 「gptgen.exe-w \\.\\ physicaldrive n」と入力します(「n」は選択したドライブの番号です)。
「このツールは、変換後にそのようなパーティションが起動可能なままであることを保証するものではありません。続行しますか?[Y/N]」というメッセージが表示され、「Y」と入力するとすぐに実行されます。

- Windowsを除いて、GptgenはLinuxにも適しています。
- Gptgenは、ダイナミックディスクのMBRスタイルからGPTへの変換をサポートしていません。
- 誤った操作によるデータの損失を防ぐために、重要な情報とOSをバックアップすることをお勧めします。
Windows 10でMBR2GPTでMBRをGPTに変換する
コンピューターがWindows 10バージョン1703またはそれ以降のバージョンを実行している場合、MBR2GPTユーティリティが付属しています。MBRディスクにOSがインストールされている場合は、MBR2GPTを使用して、データを失うことなくGPTに変換できます。次の手順を実行して、変換を完了します。
ステップ 1. 「Windows+R」を押して、管理者としてコマンドプロンプトを実行します。「cmd」と入力してEnterキーを押します。
ステップ 2. コマンドプロンプトウィンドウに「mbr2gpt / convert / disk n / allowfullos」と入力します(「n」は、GPTに変換する必要のあるハードディスク番号です)。

- ★注意:
- ディスクにBitLockerで暗号化されたボリュームがある場合は、ディスクを変換する前に一時停止してください。変換後にBitLockerを復元するには、既存のプロテクターを削除してから再作成します。
- 変換する前にデバイスがUEFI/EFIブートをサポートしていることを確認し、操作した後に、BIOSに入り、レガシーBIOSをEFI/UEFIに変更します。
- MBR2GPT.exeは、システムディスクをMBRからGPTに変換するためにのみ使用されます。これを使用してデータディスクを変換すると、「MBR2GPT.exeはOSパーティションを見つけることができません」というエラーメッセージが表示されます。
OSのインストール中にコマンドプロンプトでMBRをGPTに変換
OSをインストールまたは再インストールする場合「このディスクにWindowsをインストールすることはできません。選択されたディスクには、MBRパーティションテーブルがあります。EFIシステムでは、GPTディスクのみにWindowsをインストールできます」というエラーが発生したことがあります。この問題を解決するために、インストール中にCMDを使用できます。以下では、Windows 10のインストール時にコマンドプロンプトでディスクをMBRからGPTに変更する方法について説明します。
- ★注意:
- CMDを使用してシステムディスクをGPTに変換すると、システムディスク上のすべてのデータが消去されるので、システムディスク上に重要なデータがあれば、事前にバックアップしてください。
- ブートディスクをMBRからGPTに変換する前に、変換した後にブートモードをレガシーBIOSからUEFIに変更する必要があるため、マザーボードがUEFIブートモードをサポートしていることを確認する必要があります。
ステップ 1. WindowsインストールCD/DVDからコンピュータを起動します。
ステップ 2. 「Windowsセットアップ」画面を待ちます。

ステップ 3. キーボードの「Shift+F10」キーを同時に押して、コマンドプロンプトウィンドウを開きます。
ステップ 4. CMDウィンドウに「Diskpart」と入力します。
ステップ 5. 最後に、コマンド「list disk->select disk #->clean ->convert gpt」を実行して、ディスクをMBRからGPTに変換します。
補充:AOMEI Partition Assistantで起動可能なUSBを作成
DVDメディアから起動できない場合、またはインストールを持っていない場合、AOMEI Partition Assistant Proを使用して、Windowsを起動したり、既存のボリューム/データ削除したりせずに、起動可能なUSBを作成してMBRをGPTに変換できます。
ヒント:空のUSBドライブが必要であり、動作中のWindowsコンピューターに接続する必要があります。
ステップ 1. 動作中のPCにAOMEI Partition Assistant Professionalをインストールして起動します。「ブータブルCD/USBを作成」をクリックし、ウィザードに従って起動可能なUSBドライブを作成します。

ステップ 2. ブータブルUSBが作成された後、USBをOSのインストールにエラーが発生したコンピューターに挿入し、BIOSで起動デバイスの優先順位をUSBドライブに変更してから、コンピューターを起動します。

ステップ 3. ログイン後、AOMEI Partition Assistant Professionalのメインインターフェイスに入ります。システムディスクを右クリックし、「GPTディスクに変換」を選択します。

残りの手順は、上記のデータディスクをGPTに変換すると同様です。
結論
上記は、コマンドプロンプトとAOMEI Partition Assistantを使用してMBRをGPTに変換する方法についてです。明らかに、既存のパーティションを削除したり、データを失ったりせずに、MBRディスクをGPTに変換する場合は、AOMEI Partition Assistantの方が賢明な選択です。
AOMEI Partition Assistantそのほかのバージョン
Windows Server 2003、2008(R2)、2011、2012(R2)、2016、2019、2022のユーザーの場合、AOMEI Partition Assistant Server版を使用してください。また、社内の台数無制限のPC&Serverで利用可能なAOMEI Partition Assistant Unlimited版もあります。
更に、AOMEI Partition Assistant Technician版を購入するIT専門家、システム管理者、技術者はクライアントに技術サポートを有償サービスとして提供することができます。ニーズに応じて適切なバージョンを選択しましょう~(●'◡'●)