By ゆき / 最後の更新 2023年09月11日

BCDの問題について

PCにアクセスして電源をオンにしますが、実際にはオンにできないことを確認するだけでも、不便であり、最悪の場合は悪夢のようなシナリオになる可能性があります。PCの電源を入れられない理由はたくさんありますが、PCユーザーを悩ます最も頻繁に起こる問題の1つは、BCDとも呼ばれるブート構成データに関連しています。

ケース:「私のお客様は、コンピュータの電源を入れたときに起動に失敗したと言います。画面の上に表示されたメッセージは次のようになります。彼は起動前にハードウェア変更しなかったと確信しています。彼はそのPCを3年前買ってきましたが、Windowsインストールディスクが見つからないため、指示通りに問題を解決できません。それに1年前にPCに何らかの変更を加えたため、製造元の担当者との交渉はうまくいかないようです。それでWindows 10でBCDエラーを修正するために彼は何をするべきですか?」

BCDからPCが起動しません

BCDの紹介について

 

ブート構成データ(Boot Configuration Data、BCD)は、起動時の構成を格納する、ファームウェアに依存しないデータベースである。これはNTLDRで用いられたboot.iniに代わり、Microsoftの新しいWindows Boot Managerに用いられる。BCDは、レジストリと同等のフォーマットを持つデータファイルに格納される。このファイルは、(EFIファームウェアが用いられるマシン上で)EFIシステムパーティション、または(PC/AT互換機ファームウェアを用いるマシン上で)システム・ボリュームの\Boot\Bcdパスのいずれかに配置される。

Windows Boot Manager(Bootmgr)とは、Microsoft Windowsで採用されるブートローダーおよびブートマネージャーである。従来のNT OS Loaderに代わって、Windows VistaおよびWindows Server 2008以降で採用されている。

-出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


簡単に言うと、BCD(ブート構成データ)はOS(オペレーティングシステム)の起動時の構成情報を格納している場所です。つまり、BCDにはブート構成パラメータが含まれて、Windows Vista以降のバージョンでOSを起動する方法を制御します。ちなみに、このBCDストアを追加・削除・編集するのがbcdedit.exeというコマンドラインツールです。

BCDファイルが破損した理由

この重要なBCDファイルは、さまざまな原因で破損する可能性があります。Windows 7/8/10/11でBCDエラーが発生する主な理由は、以下の通りです。

  • 電源障害

  • ハードドライブの破損

  • システムの深刻なエラー

  • PC内のウイルス/マルウェアの攻撃

  • コンピュータの電源が正しくオフになっていない

  • マルチブートの片方を削除する時に誤って削除される

  • ......

※注:ハードウェア障害が原因となった場合は、明らかにそのコンポーネントを新しいものと交換する必要があります。それ以外の場合は、下記で紹介した方法を試してみて、破損したBCDを修復しましょう。

簡単な方法でBCDエラーを修正

次は、BCDエラーのせいでWindows 7/8/10/11が起動できない場合の対処方法についてご紹介します。ここではWindows 10を例としてあげます。

まず、Windows 10は自動的にスタートアップ修復を試みますが、それでも起動しない場合は手動修復が必要です。その際は、Windows 10インストールメディアか、回復ドライブが必要となります。

√回復ドライブでBCDの問題を修正する

回復ドライブからPCを起動し、Windows回復環境(Windows RE)のオプションとして「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を順にクリックし、コマンドプロンプトが起動したら、次のコマンドを1行ずつ入力して「Enter」キーを押します。

●bootrec /ScanOs

●bootrec /FixMbr

●bootrec /FixBoot

●bootrec /RebuildBcd

「bcdedit /enum」と入力して「Enter」キーを押すと、BCD情報が表示されます。問題なければ「exit」を実行してコマンドプロンプトを終了し、「続行」をクリックしてWindows 10を再起動します。すべてがうまくいけば、Windows 10のBCDブートファイルが修復されているので、システムは正しく起動できます。

詳しい説明:これは、MBRやBCDの情報を修復するbootrecコマンドを実行している方法です。「/ScanOs」はすべてのドライブに対してスキャンを実行し、現在のBCDに含まれないエントリーを列挙します。「/FixMbr」はWindows 10で使用するMBRを使って、システムパーティションのMBRを上書きしますが、現在のパーティションテーブルは変更しません。「/FixBoot」はWindows 10で使用するブートセクターを使って、システムパーティションのブートセクターを上書きします。「/RebuildBcd」はすべてのドライブに対してスキャンを実行し、BCDに追加するか選択するオプションです。

※本来は症状に合わせたオプションを1つ2つ組み合わせるだけで構わないですが、PCが起動しないというトラブルを考えると、すべてのオプションを実行することをおすすめします。

√BCDを再構築する

BCDの問題を解決する最も簡単な方法は、再構築です。BCDを再構築することでいくつかのWindowsスタートアップの問題を修正することができます。コマンドプロンプトが起動した後、次のコマンドを1行ずつ入力して「Enter」キーを押します。

●attrib–r–s–h c:\boot\bcd(BCDファイルを表示させる)

●del c:\boot\bcd(BCDファイルを削除する)

●bcdboot c:\windows(Cドライブに新しいBCDを作成する)

これらのコマンドを有効にするために、PCを再起動する必要があります。

※BCDを再構築するもう一つの方法がありますが、ちょっと難しいと思います。詳細情報については「WindowsでBCDを再構築する方法」を参考にしてください。

√ディスクをクリーンな状態にする

「Windows Boot Managerに\Boot\BCDが読めない」と言われて起動できない時の最終手段として、diskpartのcleanコマンドを使ってディスクの内容を消去し、あとでWindows 10のクリーンインストールを実行して新しいBCDファイルを作成するという方法もあります。ブートマネージャー(Bootmgr)に関するエラー(つまり、PCを起動するための基本システムをどこから読み込めばいいのか分からなくなったエラー)を修正するためにそれは悪くない選択です。

新規クリーンインストールのためのハードディスク消去を行うには、コマンドプロンプトで次のコマンドを1行ずつ入力して「Enter」キーを押します。

●diskpart

●list disk(ディスクの一覧を確認する)

●select disk n (「n」は、消去したいディスクの番号である)

●clean(選択したディスクからすべてのパーティションまたはボリュームのフォーマットを削除する)

●exit

※注:ディスク全体を消去する場合は、「clean」ではなく「clean all」と入力して「Enter」キーを押します。

☞補足:コマンドラインインターフェイス(CLI)に慣れていない場合は、「AOMEI Partition Assistant Professional」のようなサードパーティ製ディスク管理ツールを使って、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)でHDDまたはSSDをより簡単に完全消去することもできます。
☞重要:以上の手順は、Windows 8、Windows 7、およびWindows Vistaにも適用されます。Windows XPにも同様の問題が存在する可能性がありますが、ブート設定情報はBCDではなくboot.iniファイルに格納されているため、ブートデータの問題を修正するプロセスはまったく異なります。

√コマンドプロンプトからBCDのコピーを作成する

どちらの方法でも、Windows 10でBCDブートファイルのバックアップ・コピーを作成するのが最善の方法だと思います。BCDエラーでシステムが起動できない場合、BCDを修復するには破損したファイルをバックアップ・コピーと置き換えることだけです。

以下のクイックガイドに従って、CMDからBCDバックアップを作成してください。

●Windows 10の検索バーにCMDと入力し、コマンドプロンプトを管理者として開きます。

●bcdedit /export X:backup.bcdと入力し、Enterキーを押します。

ここで、X:を、コピーを保持したいドライブの文字に置き換えます。すべてがうまくいけば、BCDのコピーが指定されたパスに作成されます。理想的には、安全な場所(例えば、USBメモリをお勧めします。エラーが発生した場合にもアクセス可能です。)を選択し、ファイルを保存します。

補足:簡単な方法でMBRを再構築

ご存知のように、PCが起動しないときは、非常に多くの原因が考えられます。そのひとつとして、Windows Vista以降であれば、マスターブートレコード(MBR)、もしくはブート構成データ(BCD)が破損している可能性があります。前の部分でBCDの修復方法をすでに述べましたので、次はMBRの再構築によりMBRを修復する簡単な方法を見てみましょう!

前にも言及したAOMEI Partition Assistant Professionalは、MBRを再構築できる強力なハードディスク&パーティション管理ソフトです。ブートに関する問題を解決するためにブータブルメディア(USBメモリまたはCD/DVD)の作成もサポートします。Windows 11、10、8.1/8、Windows 7、Vista、XPに対応します。

Proのデモ版 動作確認の目的でのみ使用

手順 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードし、インストールし、起動します。USBメモリ(またはCD/DVD)をパソコンに接続し、Windowsで認識できることを確認します。

手順 2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「ブータブルCD/USBを作成」をクリックします。ポップアップウィンドウで、USBブートデバイスを選択し、ウィザードの指示に従って残りの操作を進めます。

ブートデバイス

手順 3. そして、起動可能なメディアをパソコンに挿入します。BIOSで起動デバイスの優先順位を変更し、ブータブルメディアから起動するように設定します。

手順 4. AOMEI Partition Assistantが読み込まれた後に、修復したいディスクを右クリックして「MBRを再構築」を選択します。

MBRを再構築

手順 5. ここではWindowsのバージョンを指定します。

MBRのタイプを選択

手順 6. 最後に、問題なければ「適用」→「続行」をクリックして保留中の操作を実行します。

手順 7. 完了後、起動可能なメディアをパソコンから外して、PCが正常に起動するか確認します。

🎯補足:また、パーティション上のデータが破損した場合や失われた場合には、AOMEI Partition Assistant Professionalを利用して、データを復旧することもできます。

結論

この記事では、Windowsが起動しない時にBCDまたはMBRを修復するための様々な方法について紹介しました。

AOMEI Partition Assistant Professionalはディスクとパーティションの管理にとても役立ちます。HDDまたはSSDの完全消去、ブータブルメディアの作成、MBRの再構築だけでなく、ディスクとパーティションのクローン、SSDへのOS移行、アプリ引っ越しなど、より多くの高度な機能も提供しています。

また、Windowsサーバー(Windows Server 2022/2019/2016/2012 R2など)向けのAOMEI Partition Assistant Server版、台数無制限のパソコンで使用可能なAOMEI Partition Assistant Unlimited版、企業&技術者のためにデザインされているAOMEI Partition Assistant Technician版もあります。必要に応じて最適なバージョンを選んでください。

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