古い(非対応)PCにWindows11をインストールする方法

「Windows10」のパソコンを「Windows11」へ無料で更新することができますが、PCに求める要件が厳しくて、多くのPCはそのままアップグレードすることが難しいです。今回は、「Windows11」の要件を満たさない「非対応・古いPC」に「Windows11」をインストールする方法(アップグレードとクリーンインストール)をお伝えします。※22H2にも対応します。

ゆき

投稿者:ゆき/更新日:2024年01月26日

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Windows11に必要なシステム要件

「Windows10」延長サポートの満了日は「2025年10月14日」です。安全にWindowsを利用するためには「Windows11」への更新が必要です。しかし、Windows11をインストールするためのシステム要件はかなり厳しいです。4年も前のPCになってしまうと、Windows11の対象から外れてしまう可能性があります。

【CPU】Intel第8世代~(第7世代の一部)、AMD初代Ryzen~2000シリーズ
【メモリ】4GB以上
【ストレージ】64GB以上
【セキュアブート】UEFI
【TPM】TPM2.0
......

【お見逃しなく!】Windows 11の最小システム要件は何ですか?

Windows11のインストール要件

Windows11を古いPCにインストールできるのか

本来、古いPCはWindows11の必須要件を満たしていなければ、アップグレードツールやクリーンインストールツールを起動すると「このPCは、Windows11をインストールするための最小システム要件を満たしていません」「このPCではWindows11を実行できません」「このPCは現在Windows11のシステム要件を満たしていません」といったメッセージが表示され、先に進めずWindows11をインストールすることができません。

🥇更新要件を満たさない古いPCは「Windows Update」で以下のようなメッセージが表示されます。「PC正常性チェック」で確認すると、非対応PCでは例えばCPU:Corei5が対象外で公式のアップグレードはできないことが分かります。

Windows Update

🥈もちろんクリーンインストールでも実行することはできません。

要件を満たしていません

しかし、本記事の手順に従うことで、Windows11必須要件を満たしていない古いPCでもWindows11をインストールすることができるようになります。唯一の条件として、CPUが「64bit」に対応している必要があります。「32bit」のCPUを搭載したPCは「Windows11」への更新はできません

💡注意:
OSが「32bit」でもCPUは「64bit」場合もあるので、ご注意下さい。
メーカー非推奨のインストール・更新方法となるので、自己責任となります。トラブルに自信のない方はあきらめてパソコンを買いましょう。

Windows11を古いPCにインストールする方法(詳細)

上述のように、マイクロソフトの要件を満たさないパソコンでも、「Windows11」をインストールすることは可能です。古い・非対応PCにWindows11をインストールする場合は、アップグレードとクリーンインストールの二種類の方法(マイクロソフト非公式)があります。

アップグレード ファイル・設定・アプリを引き継ぐことができます。
クリーンインストール ファイル・設定・アプリを引き継ぐことができません。
 

非サポート・非推奨とは言えWindows11にできることは嬉しいです。Windows10のサポートが終了しても使えるようです。

 

Windows11にアップグレードする方法

Microsoftの要件を満たさない古いPCでも、Windows11へ無料で強制的に更新する裏技は次の通りです。

手順 1. Microsoftの「Windows11をダウンロードする」ページを開いて、「Windows11ディスクイメージ(ISO)をダウンロードする」下の「ダウンロードを選択」をクリックし、ドロップダウンリストから「Windows11(multi-edition ISO)」を選択し、「ダウンロード」をクリックします。

ディスクイメージ(ISO)

手順 2. 「製品の言語の選択」で「日本語」→「確認」をクリックし、「ダウンロード」→「Widows11日本語」を確認し、「64-bitダウンロード」をクリックし、任意の場所へファイルを保存します。

🎯ファイル名は「Win11_22H2_Japanese_x64v1.iso」、サイズは約「5.1GB」です。

64-bitダウンロード

手順 3. ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、開きます。ファイルの中身を確認します。

中身を確認

条件を満たしたPCであれば「Setup.exe」を実行し、メニューを進めるだけ「Windows11」へ更新することができます。
要件を満たさないPCで「Windows11セットアップ」を進めると、「このPCは現在Windows11のシステム要件を満たしていません」というメッセージで進めることが出来ません。

このPCは現在Windows11のシステム要件を満たしていません

手順 4. 以下の画像のように、デスクトップなどで新しいフォルダーを作成し、先ほどのファイルをすべてコピーします。

コピー

手順 5. ファイルをすべてコピーした「新しいフォルダー」より、「sources」フォルダをダブルクリックして、開きます。

sources

手順 6. 「appraiserrs.dll」というファイルを右クリックして、「プログラムから開く」を選択します。「メモ帳」を選択して、「OK」をクリックします。

🎵この「appraiserrs.dll」というファイルは、PCがWindows11の条件を満たしているかチェックするファイルです。

メモ帳

手順 7. 文字化けした文字列がメモ帳に表示されるので、すべて「削除」して「上書き保存」します。

削除

手順 8. 新しく作成したフォルダーの中にある「Setup.exe」をダブルクリックして、「Windows11セットアップ」が表示されるので、「セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更」を選択します。

セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更

手順 9. 「更新プログラム、ドライバー、オプション機能の入手」画面で、「今は実行しない」を選択して、「次へ」をクリックします。

今は実行しない

手順 10. 「適用される通知とライセンス条項」が表示されるので、「同意する」をクリックします。

同意する

手順 11. 「インストール準備完了」画像が表示されたら、「インストール」をクリックして、「Windows11をインストールしています」という画面よりインストールが始まります。

インストール

インストールが完了すると、「Windows11」が立ち上がります。クリーンインストールではなく、アップグレードを行うので、「Windows11」で利用していたソフトやデータはそのまま移行されています。バージョン情報を確認すると、要件を満たしていない「Windows10」のパソコンを「Windows11の22H2」へ更新することが分かります。

以上で「Windows11」へのアップグレードは完了です。

Windows11をクリーンインストールする方法

Windows11の対象ではない古いPCにWindows11をクリーンインストールする方法は次の通りです。

ステップ①:Windows11インストール用メディア(USBメモリ)を作成する手順
ステップ②:古い非対応PCにWindows11をクリーンインストールする手順

ステップ①:Windows11インストール用メディア(USBメモリ)を作成する手順

手順 1. USBメモリ(8GB以上の空き領域)をPCに接続します。Microsoftの「Windows11をダウンロードする」ページを開いて、「Windows11のインストールメディアを作成する」下の「今すぐダウンロード」をクリックして、インストールメディア作成ツール(MediaCreationTool)をダウンロードします。

Windows11のインストールメディアを作成する

💻注意:インストールメディアの作成によりUSBメモリ内のデータは、全て削除されます。重要なデータがあれば、前もってバックアップを取っておいてください。

手順 2. ダウンロードした「MediaCreationTool」(mediacreationtool.exe)を管理者として実行します。

手順 3. 適用される通知とライセンス条項に「同意する」をクリックします。

同意する

手順 4. 「このPCにおすすめのオプションを使う」にチェックを入れるか、チェックをはずして、「言語」と「エディション」を選択します。「次へ」をクリックします。

このPCにおすすめのオプションを使う

手順 5. 「使用するメディアを選んでください」が表示されたら、「USBフラッシュドライブ」を選択し、「次へ」をクリックします。

USBフラッシュドライブ

手順 6. 保存先としての(インストールメディアの作製に使用する)USBドライブを選択し、「次へ」をクリックします。

USBドライブを選択

🔉Windows11のダウンロードがはじまります(※ダウンロードには時間がかかります)。ダウンロードが完了すると、Windows11のメディア作成がはじまります。

手順 7. 「USBフラッシュドライブの準備ができました」と表示されたら、USBのインストールメディアの作成は完了です。「完了」をクリックして、画面を閉じます。

ステップ②:古いPCにWindows11をクリーンインストールする手順

手順 1. BIOSのブートメニューで、作成したWindows11インスール用USBメモリから古いPCを起動するように変更します。

BIOS

手順 2. 「Windowsセットアップ」が起動したら、「次へ」をクリックします。

言語やキーボード

手順 3. 「今すぐインストール」をクリックします。

今すぐインストール

手順 4. 「このPCではWindows11を実行できません」と表示されたら、Shiftキー+F10を押して、「コマントプロンプト」を開きます。

このPCではWindows11を実行できません

手順 5. コマントプロンプトで、「regedit」と入力して、Enterキーを押します。

regedit

手順 6. レジストリエディター(regedit.exe)が起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setupに移動します。

Setup

手順 7. 「Setup」フォルダを右クリックして、「新規」⇒「キー」の順にクリックして、新しいキー「LabConfig」を作成します。

LabConfig

手順 8. 「LabConfig」フォルダを右クリックして、「新規」→「DWORD(32ビット)値」の順にクリックして、「Labconfig」の下に「BypassTPMCheck」と「BypassSecureBootCheck」という2つの新しいエントリーを作成します。

DWORD

手順 9. 作成したDWORD(32ビット)値「BypassTPMCheck」と「BypassSecureBootCheck」を右クリックして、「修正」をクリックして、それぞれ「値のデータ」を「1」に変更して、「OK」ボタンをクリックします。

💡半角数字です。間違えて全角で入れないでください。

値

🔊【参考情報】以下の画像のようにHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetupに移動して、新規のエントリーキー「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」を作成することもできます。

MoSetup

これでWindows11の必須要件をごまかすことができるようになります。レジストリエディタとコマンドラインを右上の「☓」で閉じます。「Windowsセットアップ」の最初の画面表示に戻ります。先にすすめるようになっているので、「次へ」⇒「今すぐインストール」ボタンを押します。あとは、Windowsセットアップの指示にしたがってWindows11をインストールしてください。

インストールするエディション

カスタム

インストールするドライブ

インストールが完了すると、Windows11の必須システム要件を満たしていないパソコンでも、このようにWindows11がインストールされて普通に動かせるようになります。

Windows11を古いPCにインストールするデメリット

🎯Windows11を古いPCにインストールする操作が面倒で難しいです。

🎯Windows11を古いPCにインストールするのに問題が発生しやすいです。

レジストの変更は間違えるとパソコンがまともに動かなくなるリスクがあるので、自信のない人にはお勧めしません。また、対応していない古いパソコンにインストールすると、音が出ないとか反応が変とか、細々した問題が確実に出ることがあります。このような問題を自力で解決できる人、又は気にしない人は古いパソコンに無理やりインストールしてもいいかと思います。それ以外の人は非推奨です。

🎯Windows11をインストールした古いPCをメインPCとして使用することをおすすめしません。

以上の方法でWindows11をインストールしたPCはもちろん問題なく普通に利用できます。ただし、本来Windows11に必須のシステム要件をごまかして、対象外のPCにWindows11をインストールさせる裏口入学のようなものです。定期的に提供される更新プログラムをもたらすWindows Updateはごまかすことはできません。将来的にはWindows Updateの更新プログラム提供が途絶える可能性があります。「普段の定期アップデートはできるが大型アップデートはできない」ということになるみたいです。1代バージョン限りのアップグレードになるようです。したがって、危険性が高く、メインでの使用には適していないというわけです。もし対象外のPCに最新バージョンのWindows11をインストールしたい場合は、OS をクリーンインストールしなおせばできる感じです(初期化と同義)。

Windows11のポータブルUSBドライブを作成する方法(簡単)

非対応PCでWindows11を使用・実行したい場合、Windows11を古いPCにインストールすることをおすすめしませんが、優れたディスクパーティション管理ソフトAOMEI Partition Assistant Professionalの「Windows To Go Creator」機能を利用して、Windows11をUSBメモリ(外付けHDD)にインストールして、起動可能なポータブルUSBドライブ(ポータブルHDD)を作成することができます。

誰でも簡単に操作することができますし、どのPCでもWindows11を直接使用・実行することができます。もちろん、この方法であるとすれば、古いPCはWindows11の必須要件を満たしている必要がありません。

★事前準備:
64GB以上のUSBメモリ(推奨):USBメモリ内のデータは、全て削除されます。重要なデータがあれば、サードパーティ製ツールAOMEI Backupper Standardでバックアップを無料で取っておいてください。
Windows11のISOファイルをダウンロードします。

手順 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロード、インストール、起動します。USBメモリをPCに接続し、認識していることを確認します。

Proのデモ版 Win11/10/8.1/8/7
安全かつ快適
注意:デモ版は動作確認の目的でのみ使用されます。つまり、デモでは、すべての機能をプレビュー、すべての操作をシミュレートすることしかできません。

手順 2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「Windows To Go Creator」をクリックして、開きます。

Windows To Go Creator

手順 3. 「Windows向け」か「Mac向け」か選択します。一般的に「パーソナルコンピュータ用のWindows To Goを作成」を選びますが、MacでWindows11を使いたいと考えているなら、「Macデバイス用のWindows To Goを作成」を選んで、「次へ」をクリックします。

パーソナルコンピュータ用のWindows To Goを作成

手順 4. 「インストールディスク/ISOでWindows To Goを作成」にチェックを入れ、あらかじめダウンロードしておいたWindows11のISOイメージファイルを指定・選択します。

💡もし、ISOファイルがない場合、や現在動かしているPCと同じWindowsをインストールしたい場合、「現在のシステムでWindows To Goを作成」を選んで「次へ」をクリックします。

インストールディスク/ISOでWindowsToGoを作成

手順 5. Windows11のインストール先のUSBドライブを選択します。パソコンに接続されているUSB機器が候補に出てくるので、ここから選びます。

💡USB接続であれば、外付けHDDやSSDでも構いません。

続行

手順 6. 「データが完全に消去される」という警告メッセージが表示されます。事前にバックアップを取っておいたため、「はい」をクリックして作業を開始します。完了までさほど時間はかかりません。

データ消去

作成したWindows11の起動可能なポータブルUSBドライブ(Windows To Go)を古い(非対応)PCに接続し⇒電源を入れ⇒BIOS設定に入り⇒起動順序を変更(USBメモリを一番最初に読み込むように設定)し、USBドライブから起動すると、Windows11を使用することができます。

🔊【参考情報】また、非対応PCでWindows11を使用・実行するために、AOMEI Partition Assistant Professionalの「OSをSSDに移行」または「ディスクをクローン」機能を使用して、アップグレードまたはクリーンインストールをせずにWindows11を古いPCに直接移行してみることができます。さらに、その「GPTディスクに変換」機能を使用して、古いPCに搭載されているMBRディスクからGPTディスクに変換することもできます。

OSをSSDに移行

古いPCにWindows11をインストールすることに関するFAQ

要件を満たさない古いパソコンでも更新できますか?

→Windows10の64ビット版が動作していれば、マイクロソフトの要件を満たさない古いパソコンでも、「Windows11」へ更新することは可能です。

要件を満たさないパソコンでのWindows11アップグレードはライセンス違反ではありませんか?

→元々正規ライセンスを持っていれば、問題ありません。

要件を満たさないパソコンは、Windows Updateが制限される可能性がありますか?

→Microsoft社はその可能性を示唆しています。

動作が重くなりますか?

→Windows10とWindows11の要件に大きな差はないため、これまでと同程度の動作感覚が期待できます。

Windows10のソフトは動きますか?

→Windows10とWindows11の互換性は高いため、大部分のソフトは問題なく動作すると思われます。ただし、ソフトによっては影響がある可能性があるため、更新は自己責任で行ってください。

まとめ

本記事の手順で、Windows11必須システム要件をごまかすと、対象外のパソコンでもWindows11をクリーンインストール、またはWindows11へアップグレードできるようになります。例えば、CPUはCore i5の第4世代、TPM2.0とUEFIセキュア非対応のPCなのですが、ちゃんとWindows11がインストールできています。

ただし、超重要な注意にも書いたとおり、本記事の方法でWindows11をインストールしたパソコンをメインパソコンとして使用するのをおすすめしません。また、これらの方法は正式な手段ではなく、互換性やセキュリティの問題が発生する可能性があります。予算があれば、新しいPCを検討することをおすすめします。

また、AOMEI Partition Assistant ProfessionalでWindows11のポータブルUSBドライブを作成して、USBから起動して、古い(非対応)PCでもWindows11を直接使用・実行することができます。

ゆき
ゆき・編集者
ゆきは、AOMEI Technology会社の編集者として長年AOMEI製品についての記事やコンピュータに関する記事を翻訳したり、書いたりしています。パソコンの基礎知識とか、AOMEI製品の機能について詳しいです。IT業界に対して深い興味を持っています。そのほか、旅行、アニメ、音楽、色々なことに趣味があります。