解決済み:Windows 10で「このディスクは書き込み禁止になっています」

Windows 10/11でUSBメモリまたはSDカードをフォーマットしようとする時に「このディスクは書き込み禁止になっています」というエラーメッセージが表示されることがあります。今回は、SDカードやUSBメモリが書き込み禁止になった原因と解除方法をご紹介します。

ゆき

投稿者:ゆき/更新日:2024年03月25日

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問題:「このディスクは書き込み禁止になっています」

今、USBメモリ(USBフラッシュドライブ)/SDカード/microSDカードはデータの保存や転送にとても便利なので、様々な電子機器で広く使われています。しかし、USBメモリまたはSDカードが書き込み禁止になったことはよくあるでしょう。

例えば、フォーマットまたはデータのコピーや削除などの操作を実行しようとする時に「このディスクは書き込み禁止になっています」といったエラーメッセージが表示されることはあります。

そういう時にUSBメモリまたはSDカードが「読み取り専用」になります。フォーマットまたはデータの変更、削除や追加などの操作を実行することができなくなります。

このディスクは書き込み禁止になっています

USBメモリ/SDカードが書き込み禁止になった原因

USBメモリまたはSDカードが書き込み禁止になった原因として考えられるものは次の通りです。

※物理障害

❶「書き込み禁止スイッチ」が「ON」の状態になっている

USBメモリまたはSDカードは機種によって「書き込み禁止スイッチ」と呼ばれるものが装備されていることがあります。このスイッチが「LOCK(ロック)」側、すなわち「ON」の状態になっている場合は、USBメモリまたはSDカードは書き込み禁止の状態となり、USBメモリまたはSDカードからの読み取りは可能ですが、USBメモリまたはSDカードへの書き込みは禁止され、データを書き込んだりフォーマットすることはできません。

👉対処法:「書き込み禁止スイッチ」を反対側に動かして、書き込み禁止を解除するか確認してください。

注意:
SDカードに書き込み禁止スイッチがありますが、MicroSDカード(TFカード)にはありません。
現在市販されている少数のカードリーダーには、書き込み禁止スイッチが付いているかもしれません。カードリーダーを注意深く観察し、「LOCK」マーク付きのスイッチを「LOCK」側の逆方向に動かしてください。

❷SDカードを長い間使わず放置した

SDカードが長時間で使用されない場合は、接点部分に酸化膜が出来てしまったため、接触不良を起こし、書き込みできなくなる(書き込み禁止になる)可能性があります。

酸化膜

📖酸化膜を除去する方法:
消しゴムで取り除きます。(おすすめ)
鉛筆で擦ります。(鉛筆は黒鉛の粒を固めた物なので、導電率の高い黒鉛が塗布される事で接触不良が改善されます。)
市販の接点回復剤を利用します。(一般に、サビ除去剤にある溶剤が薄い導電膜も溶解し除去する可能性があるので、サビ除去剤の使用はお勧めしません。)

❸そのほかの原因:「USBメモリまたはSDカードが故障・破損している」「パソコン自体に問題がある」......

※論理障害

❶USBデバイス制御ソフトウェアを使用している

これは、企業や研究機関などでよく見られます。データ漏洩や社員の外部記憶装置によるウイルス感染を防止し、自社の利益を確保するため、一般に社員のパソコンにUSBデバイス制御ソフトをインストールします。

👉対処法:このようなソフトがインストールされている場合は、外部記憶装置を使用するにはネットワーク管理者に許可を申請する必要があります。一般に、パスワードで制限を解除することができます。

❷ファイルシステムが書き込み禁止に設定されている

USBメモリまたはSDカードのファイルシステムを読み取り専用に設定した場合、Windowsに標準搭載されている「diskpart」コマンドを利用して、変更することができます。👉詳しい手順はこちらへ

❸レジストリですべてのモバイルデバイスを読み取り専用に設定する

例えば、パソコンに保存されている個人データがモバイルデバイスにコピーされないように、レジストリですべてのモバイルデバイスを読み取り専用に設定したことがあります。こういう場合には、レジストリを編集して書き込み禁止を解除することができます。👉詳しい手順はこちらへ

📝補足:
グループポリシーですべてのモバイルデバイスを読み取り専用に設定したこともあります。こういう場合には、ローカルグループポリシーエディターで書き込みアクセス権の拒否を無効にすることができます。👉詳しい手順はこちらへ
「グループポリシー」は、ユーザーやコンピューターに対する設定を一元的に管理するためのActive Directoryの仕組み(機能)です。セキュリティを強化したり、Windowsの機能を有効/無効にしたりするといった目的で、企業内で扱うコンピューター/ユーザーを同じ設定にしたい場合に活用します。

❹USBメモリまたはSDカードがウイルスに感染している

これは、スマホのMicroSDカードによく見られます。スマホで偽のサイトを閲覧し、ウイルスに感染したため、MicroSDカードのデータがパスワードでロックされ、書き込みができなくなってしまいます。例えば、2017年頃に大流行したランサムウェア「WannaCry」です。

ウイルス、マルウェア、ランサムウェア、スパイウェアなどの脅威を検知・除去するために開発されたウイルス対策ソフトウェアを使用できますが、トラブルを解決できないこともあります。この場合、他のデバイスがウイルスに感染されないため、すぐSDカードをフォーマットするのはオススメです。また、そのSDカードを使用しているスマホも初期化する必要があります。

👉USBメモリまたはSDカードをフォーマットする詳しい手順はこちらへ

❺USBメモリまたはSDカードには書き込み権限がない

👉SDカードまたはUSBメモリの書き込み権限を確認する方法はこちらへ

❻USBメモリまたはSDカードがいっぱいになる

不要なファイルを削除したり、データを別の場所に移動したりすることで容量を解放しましょう。ディスク容量は、WindowsエクスプローラーでSDカードまたはUSBメモリを右クリック⇒「プロパティ」を選択することで確認できます。

👍Windows11/10/8/7でCドライブ容量を増やす方法

容量を解放

❼そのほかの原因:「USBメモリまたはSDカードの書き換え回数が上限に達する」......

Windows 10/11で書き込み禁止を解除する方法

Windows 10/11でUSBメモリまたはSDカードが書き込み禁止になった場合、どう対処したらよいでしょうか?次は、USBメモリまたはSDカードの書き込み禁止を解除する方法を5つご紹介しましょう。

方法1:コマンドプロンプト(CMD)で書き込み禁止を解除

ステップ 1. Winキー + Sキーを押し、「cmd」と入力し、「コマンドプ ロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

ステップ 2. 「diskpart」と入力し、Enterキーを押します。

ステップ 3. 「list disk」と入力し、Enterキーを押します。

ステップ 4. 「select disk n」と入力し、Enterキーを押します。

💡ヒント:
「n」は、書き込み禁止になっているSDカード、USBフラッシュドライブ、または他のデバイスのディスク番号を指します。分かりにくい場合はディスクのサイズを参考に判断すれば良いです。
もう一度「list disk」を実行すれば、「ディスク n」前に「*」が見えます。これは、USBメモリまたはSDカードが操作対象に選択されたことを意味します。

ステップ 5. 「attributes disk clear readonly」と入力し、Enterキーを押します。

ステップ 6. 完了後、「exit」と入力し、Enterキーを押します。

コマンドプロンプト

これで、USBメモリまたはSDカード/MicroSDカードの書き込み禁止が解除されました。

📝補足:USBメモリまたはSDカードを書き込み禁止にするには、「select disk n」でUSBメモリまたはSDカードを操作対象にしてから「attributes disk set readonly」(ディスクの属性を読み込み専用に設定する)を実行すればいいです。

方法2:レジストリエディターで書き込み禁止を解除

ステップ 1. Winキー + Rキーを押し、「ファイル名を指定して実行」に「regedit」と入力し、「Enter」キーを押すか「OK」ボタンをクリックして「レジストリ エディター」を開きます。

ステップ 2. 左側のフォルダツリーを「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SYSTEM」→「CurrentControlSet」→「Control」の順に展開して、Controlフォルダの中にある「StorageDevicePolicies」フォルダを開きます。

📝補足:もし「StorageDevicePolicies」フォルダがない場合は、フォルダを作成しましょう。Controlフォルダを右クリック→「新規」→「キー」をクリックしたらControlフォルダの中に「新しいキー #1」フォルダが作成されます。このフォルダの名前を「StorageDevicePolicies」に変更してフォルダ作成を完了させます。

新しいキー

ステップ 3. フォルダの右側にある「WriteProtect」をダブルクリックし、「値のデータ」を「1」から「0」に変更して「OK」をクリックします。※「値のデータ」を「1」に設定すると、USBメモリまたはSDカードが書き込み禁止になっています。

値のデータ

📝補足:もし「StorageDevicePolicies」フォルダの右側に「WriteProtect」がない場合は、「StorageDevicePolicies」フォルダを右クリック→「新規」→「QWORD(64ビット)値」をクリックします。もしお使いのパソコンが32ビットの場合は「DWORD(32ビット)値」を選択してください。「StorageDevicePolicies」フォルダ内に「新しい値 #1」が作成されます。この値の名前を「WriteProtect」に変更してEnterキーを押します。

新しいDWORD

これで、USBメモリまたはSDカードの書き込み禁止が解除されました。

方法3:ローカルグループポリシーエディターで書き込み禁止を解除

ステップ 1. Winキー + Rキーを押し、「ファイル名を指定して実行」に「gpedit.msc」と入力し、「OK」ボタンをクリックして「ローカル グループ ポリシー エディター」を開きます。

gpedit.msc

📝補足:Windows 10 Homeの場合は、まずローカルグループポリシーエディターのインストールファイルをダウンロードしてください。解凍した後、「gpedit-enabler.bat」というファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

👍Windows10|ローカルグループポリシーエディターを起動する方法

ステップ 2. 画面左側の「コンピューターの構成」⇒「管理用テンプレート」⇒ 「システム」⇒> 「リムーバブル記憶域へのアクセス」を選択します。そして、画面右側の「リムーバブルディスク:書き込みアクセス権の拒否」をダブルクリックします。

書き込みアクセス権の拒否

ステップ 3. 「無効」にチェックを入れます。

無効

これで、USBメモリまたはSDカードの書き込み禁止が解除されました。

方法4:フリーソフトで書き込み禁止を解除

「エクスプローラー」または「ディスクの管理」でフォーマットを実行できますが、ここではより強力なフォーマットツール「AOMEI Partition Assistant Standard」をお勧めします。

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誰でもUSBメモリまたはSDカードを簡単かつ迅速にフォーマットできる
Windows 11、10、8.1/8、7(32 ビットまたは64 ビット)に対応する
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ステップ 1. AOMEI Partition Assistant Standardを無料でダウンロードし、インストールし、起動します。

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ステップ 2. USBメモリまたはSDカードを右クリックし、「パーティションをフォーマット」を選択します。

パーティションをフォーマット

ステップ 3. ポップアップウィンドウで「パーティションラベル」を編集してUSBメモリまたはSDカードに名前を付けたり、ファイルシステムを変更したりできます。USBメモリはデフォルトでFAT32ファイルシステム(互換性高い)にフォーマットされます。

💡ヒント:Windowsでは書き込めるのに、Macでは書き込み禁止になるというケースでは、USBメモリをNTFSでフォーマットするのではなく、「exFAT」や「FAT32」といったファイルシステムでフォーマットしなおす必要があります。

👍Windows10|USBメモリをFAT32へフォーマットする方法TOP4

フォーマット設定

ステップ 4. 変更を保存するには、「適用」をクリックします。

フォーマットプレビュー

これで、USBメモリまたはSDカードの書き込み禁止が解除されました。

🚨注:
フォーマットの際にUSBメモリまたはSDカード内のデータはすべて消去されてしまうので、事前に必ずバックアップを取っておいてください。
Windows Server 2022、2019、2016、2012などでUSBメモリまたはSDカードをフォーマットしたい場合、AOMEI Partition Assistant Server版を使用してください。

方法5:Windowsエクスプローラーで書き込み禁止を解除

ステップ 1. エクスプローラーでUSBメモリまたはSDカードを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

ステップ 2. 「セキュリティ」タブの「アクセス許可(P):Everyone」の「書き込み」欄で、「許可」にチェックが付いているか確認してください。

セキュリティ

ステップ 3. チェックが付いていない場合は、「編集」をクリックし、「書き込み」にチェックを入れて「OK」を押します。

編集

これで、USBメモリまたはSDカードの書き込み禁止が解除されました。

終わりに

上記のすべての方法を試してもUSBメモリまたはSDカードの書き込み禁止を解除できない場合は、USBメモリまたはSDカード/MicroSDカードの寿命が来た可能性が高いです。そのほか、USBメモリまたはSDカードが壊れたり、書き換え回数が上限達したりした場合にも、書き込み禁止を解除できない可能性が極めて高いです。

一般的、一日に1〜2回データを書き込むなら、1年後くらいにSDカードが使用できなくなります。一日に4〜5回データを書き込むなら、数ヶ月後に使用できなくなるかもしれません。

そういう時に、早速SDカードのデータを救出しましょう。また、メーカーにお問い合わせてSDカードを交換してください。

ゆき
ゆき・編集者
ゆきは、AOMEI Technology会社の編集者として長年AOMEI製品についての記事やコンピュータに関する記事を翻訳したり、書いたりしています。パソコンの基礎知識とか、AOMEI製品の機能について詳しいです。IT業界に対して深い興味を持っています。そのほか、旅行、アニメ、音楽、色々なことに趣味があります。